ニペソツ山

2008.10.8 6:45-16:00 霧後晴れ後曇


霧誰もいない。夜中に林道終点にある登山口に到着したとき、車は他に一台もなかった。夏は早朝から登山する人の車がある場所だ。車のエンジンを切ると、真っ暗。沢の音が聞こえる。

さっき三国峠で少し使ったヘッドランプがない。どうやら落としたらしい。あー、意外と高いのに。ショックを受けつつ寝る。

早朝、目が覚める・・・が眠くて動きたくない。周囲は霧。薄暗い。うだうだ時間を浪費し、結局6時過ぎにやっと動き始めた。朝ごはん・・・あ、箸がない。

朝になっても、やっぱり誰もいない。登山者名簿を見ても、もうこの時期の入山は少ないようだ。結局、今回は他の登山者はいなかった。独り占め気分はいいけど、正直ちょっと怖い。

霧に包まれた樹林帯を登る。最初は結構傾斜が急で、荷物は軽いのにはかどらない。いつもより体が重いような・・・あ、ストック忘れた!忘れ物連発で気が滅入る。どうも最近おかしい。

森は紅葉を過ぎ、枯葉の残る初冬の様相だった。霧に薄日が差すこともあり、もしかしたら標高が上がれば雲の上に出られるかもと期待する。

ナキウサギ高い木の上で、鳴きながら移動するエゾリスがいた。なんだか急いでいる様子。標高が上がると季節が進むのが実感できる。急ぎたくもなるだろう。

小天狗のあたりから残雪が見られ出した。登山道の隅にある程度だが、今年の雪だ。霧が勢い良く流れ、時々霧雨が混ざる。寒い。

天狗のコルを過ぎ、霧はだんだん薄くなっていった。いつもは石狩岳や表大雪が望める場所では、雲に覆われて展望利かず。

上空に、ヒワの大群が飛び回っていた。一部はカワラヒワだが、マヒワの群れもいるかもしれない。数百羽いるようで、正に大群。でも双眼鏡がないので判別は難しい。

キタキツネガレ場では、今日もナキウサギが活発だった。このあたりから日が差すようになってきた。鳴き声があちこちから響く。

と思ったらキツネ登場。人間とは違う思いでナキウサギを見ているに違いない。冬毛はふさふさで美しく、いい男(性別不明だけど)。やはり獲物を探していたのだろう、動きが怪しい。こちらを少し警戒しながらも、あっちこっち歩き回ってから登山道を下りて行った。

ホシガラスは、冬に備えてハイマツの種を埋めていた。あちこちみんなで埋めまくり。小競り合いも起きていた。先月とは動きがまるで違う。今は埋めることしか頭にないのかもしれない。とにかく、地面をゴソゴソ。みんなで種蒔きしているみたい。

ニペソツやや急なガレ場を登り切ると、やっとニペソツが拝める場所に出る。薄く雪をかぶっている。雲の切れ間が出て、本格的に雪化粧した表大雪の姿も見ることが出来た。

上空に2羽のタカが飛んでいた。写真でよく見ると、ハイタカとチョウゲンボウのようだ。チョウゲンボウをハイタカが追い払っているようで、タカ社会も大変そうだ。ノスリも高空を飛んでいて、猛禽日和。

エゾライチョウ日が短くなってきた。ナキウサギやホシガラスを見ながらゆっくりと下りることにする。

樹林帯で、エゾライチョウが見られた。最初は1羽。驚いて枝に飛び上がった後、ピーピー大声で鳴いていた。もう1羽いたらしく、近くの枝に一緒に飛び移って、顔を上下に動かして何かやっていた。何やってるのか全然わからない。一緒に行動していて中は良さそうにも見えるのだが、一見縄張り争いみたいな行動にも見える。

また曇ってきて、暗くなってきた。下山して、三国峠から見たニペソツは雲の中だった。

観察種リスト

カワラヒワ、マヒワ?、ウグイスc、ノゴマ、カヤクグリ、カラ類、キジバト、エゾライチョウ、
ハイタカ、ノスリ、チョウゲンボウ、ホシガラス

エゾシカ、キツネ、シマリス、エゾリス、ナキウサギ

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